13 Jun 2019
アスリート必見! アスリートが引退後のために身につけるべきスキルは〇〇だ!
アスリートであれば必ずいつか引退のときを迎えます。
大学の体育会卒業、企業への就職、怪我などによる身体の不調、競技レベルの不一致、加齢による体力の衰え、バーンアウト、結婚・妊娠・出産などのプライベートの問題…。
このように引退年齢や引退理由は人それぞれですが、平均すると20代半ばから30代半ばだと言われています。
つまり、スポーツキャリアでいくら成功を収めたといっても、ほとんどの人が若いうちにそのキャリアから降りて、セカンドキャリアへと進む必要があるということです。
今回は、スポーツ選手の引退平均年齢から考えるセカンドキャリアのあり方として、引退平均年齢のデータ、主な引退理由について触れ、それを基に一般的なセカンドキャリアと比較し、アスリートのセカンドキャリアとはどうあるべきかを考えてみたいと思います
スポーツ選手の引退の平均年齢は何歳?
では、まずスポーツ選手の引退平均年齢を競技別に見ていきましょう。
20歳前後で引退することの多い新体操もあれば50歳を越えても続けられるボートレース(競艇)など、辞める年齢は競技特性によって大きく異なります。
また、サッカー(平均引退年齢26歳)の三浦知良選手のように50代になってもプレーをしている選手、ボートレース(平均引退年齢55歳)の加藤峻二選手のように73歳まで現役を続けた選手もいます。
つまり、競技を辞める年齢については個人差があるということです。
しかし、引退後のセカンドキャリアの問題を考えるうえで重要なのは大多数のアスリートが何歳で競技を辞め、次のキャリアへと歩み始めるかです。
冒頭でも述べたように、アスリート全体でみると引退の年齢は20代半ば~30代半ばです。
この数字を意識しておくことがアスリートのセカンドキャリアのあり方を考えるうえでとても大切でしょう。
競技別引退平均年齢一覧
競技名 | 平均引退年齢 |
新体操 | 20歳 |
ボクシング | 23歳 |
フィギュアスケート | 24歳 |
相撲 | 25歳 |
ソフトボール | 25歳 |
水泳 | 25歳 |
サッカー | 26歳 |
ラグビー | 26歳 |
体操 | 28歳 |
柔道 | 28歳 |
野球 | 29歳 |
バスケットボール | 30歳 |
バレーボール | 30歳 |
卓球 | 30歳 |
フェンシング | 30歳 |
バドミントン | 30歳 |
テニス | 35歳 |
競馬 | 40歳 |
競艇 | 55歳 |
※各競技の引退平均年齢であり個人差があります。
※データは書籍・インターネット上の情報をまとめたものです。
スポーツ選手の引退年齢は引退理由に大きく左右される!
さて、大半のアスリートが競技から退く年齢が20代半ば~30代半ばであること、競技特性や個人の差でそれは大きく変わることがわかりました。
では、もう1つアスリートを競技を辞める年齢に大きく関わってくる要素である「引退理由」についてみていきましょう。
アスリートの引退理由:体力の衰え
アスリートの引退というと体力の衰えがまず1番に思い浮かぶでしょう。
この場合は、比較的長いスポーツキャリアを歩み、引退年齢は遅くなる傾向があります。
しかし、体力の限界まで競技を続けられる選手というのは、ほんの一握りしかいません。
なぜなら、チームスポーツであれば歳を重ねてパフォーマンスが落ちてくれば出場機会が減ったり、戦力外通告を受けたりしますし、個人スポーツであればパフォーマンスが落ちて勝てなくなれば賞金やスポンサー料が下がり選手活動を続けることが難しくなるからです。
つまり、タレントを持った一握りのアスリートでしか成しえない、名誉ある引退理由といっても良いでしょう。
アスリートの引退理由:怪我
怪我やその治療・リハビリによる長期離脱がアスリートの引退理由として少なくありません。
この場合は、スポーツキャリアの終わりを急に迎え、引退年齢は早まる傾向があります。
治る見込みと気力があるのであれば1~2年間は様子をみることもありますが、怪我を引き金に戦力外通告を受けたり、引退を決めたりする選手は多いでしょう。
アスリートの引退理由:競技レベル不足
競技レベルがプロとして通用しないために引退するケースは最も多いでしょう。
この場合は、引退年齢は各競技の平均程度になります。
もちろん、自分で引退を決めるケースもありますが、この場合は戦力外通告を受けて引退するケースがほとんどでしょう。
アスリートの引退理由:バーンアウト
メンタル的な理由でアスリートが引退を決意するケースもあります。
この場合は、スポーツキャリアの終わりを急に迎え、引退年齢は早まる傾向があります。
ジュニア世代からエリートとしてキャリアを築いてきた選手に多いのが特徴です。
また、一度バーンアウトして現役を退いたり、活動を休止したりした選手は、心身ともにリフレッシュした後に再度競技復帰するケースも多いです。
アスリートの引退理由:プライベート
プライベートの理由でアスリートが引退を決意するケースも少なくありません。
特に女性アスリートの場合は結婚・出産などの適齢期を迎えた際に引退を決意することが多いでしょう。
アスリートとしての人生だけでなく、ひとりの人として、女性としてどのように生きたいかを問うたときに「結婚して家庭を持ちたい!」という思いが勝つ人はそれを理由に競技の第一線から退くでしょう。
このケースでも、出産・育児が落ち着いてから競技に復帰する人も少なくありません。
アスリートの引退理由:経済的負担
経済的な理由でアスリートが引退を決意するケースも少なくありません。
特にプロになったばかりの選手やジュニアアスリートに多くみられます。
この場合は、スポーツキャリアの終わりを急に迎え、引退年齢は早まる傾向があります。
実績のない選手にスポンサー企業がつくことは稀なため、最初は自己資金を投入するしかありません。
そのため、生活が困窮し引退に追い込まれてしまうこともしばしばあるのです。
スポーツ選手のセカンドキャリアは20代・30代から始まる!
さて、アスリートの平均引退年齢とその引退理由についてみてきました。
これらからわかることは、20代・30代という早い年齢から事前準備なくセカンドキャリアが始まるケースが多いということです。
一般的にセカンドキャリアというと50代・60代で早期退職や定年退職をして再就職・転職してついた仕事やキャリアアップのために30代・40代に転職・独立してついた仕事のことを意味します。
きちんとキャリアアップに必要な資格を取ったり、様々な求人を比較したりして準備をし、年齢的にも機が熟した状態でセカンドキャリアを迎えるのが一般的な社会人です。
一方で、アスリートは社会経験もなく年齢的にも未熟な状態で急にセカンドキャリアを迎えることが多いのです。
つまり、一般的なセカンドキャリアとスポーツ選手のセカンドキャリアの意味合いは大きく異なるということです。
アスリートのセカンドキャリアについては、これらの違いをきちんと理解したうえで一般論としてのセカンドキャリアからは切り離して考えるべきなのです。
年齢からみる引退後のアスリートのセカンドキャリアのあり方とは?
僕は、一貫してアスリートはデュアルキャリアの考え方をすべきだと思います。
また、現状のアスリートのセカンドキャリア支援制度の内容についてもこの考え方を中心に発展させていくべきでしょう。
デュアルキャリアとは、常にアスリートとしてのキャリアと人としてのキャリアを意識して選択と行動をするというキャリアの考え方です。
そうすることで、アスリートとしてのキャリアにとっては「競技しかやってこなかった自分から競技を取ったらどうなるのだろうか…」という引退後の不安を払拭し、安心して心技体を追求でき、人としてのキャリアにとってはアスリートにしかできない特別な経験をもとにライフスキルを高めることができるでしょう。
また、知識不足のまま起業して破産をしたり、犯罪や不祥事を起こしたりと悲惨な失敗をして、アスリートとしての成功から一転して転落人生に陥るというケースも減らすことができるでしょう。
このようなキャリアの考え方をしておくことで競技引退という出来事をフラットに受け入れることができるだけでなく、その後のキャリア形成にもより良い影響を与えられるでしょう。
現役アスリートとしての人生の隣に1人の人間としての人生が流れていることを理解し、常に2つのキャリア・人生を生きる意識付けをしておけば、セカンドキャリアを歩み始めたときにも、また指導者・ビジネスマン・経営者等としてのキャリアと人としてのキャリアの2つを生きることができ、来るサードキャリア、フォースキャリアに備えることができるのです。
このように、スポーツ選手やアスリートは後のキャリア形成も含めて、デュアルキャリアを意識することが最も重要なのです。
まとめ
今回は、アスリートの引退年齢をもとにセカンドキャリアのあり方を考えました。
僕は、アスリートに限らず、全ての人が人としてのキャリア、つまり人としての”哲学”を持つべきだと考えています。
言い換えるならば、人としての哲学を体現する手段が、もう一方のキャリアであるべきだということです。
アスリートなら競技スポーツをするという手段を持って、経営者なら会社を経営するという手段を持って、指導者なら指導をするという手段を持って自分の哲学を表現するのです。
そうすれば、人としてのキャリアではないもう一方のキャリア(表面上のセカンドキャリア)は何であっても良いとおもうのです。
普通の人が出来ないことをファーストキャリア(アスリートとしてのキャリア)で成し遂げているわけですから、その素養は整っているはずなのです。
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2020年 12月 13日
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