15 Jun 2019

アスリート必見! アスリートが引退後のために身につけるべきスキルは〇〇だ!
女性アスリートが世界的に活躍すると共に、引退後のセカンドキャリアについて様々な問題が出てきています。
一般的に女性は、高校・大学卒業後に就職して社会人としてのファーストキャリアをスタートし、結婚・妊娠・出産を機に休職・退職をして、育児が落ち着くと共に復職してキャリアを継続するか、転職してセカンドキャリアをスタートするというのが定例となっています。
しかし、女子スポーツ選手の場合は現役引退後にセカンドキャリア(社会人としてのファーストキャリア)をスタートさせるため、結婚・妊娠・出産の適齢期と重なってしまう可能性が高くなります。
つまり、女性アスリートは、アスリートとしてのセカンドキャリアの課題と女性としてのセカンドキャリアの課題を同時に背負うことになるのです。
女子アスリートはこの特徴を理解してキャリア構築を考えること、国(スポーツ庁)・競技団体・企業はセカンドキャリア支援をすることが重要になります。
今回は、女性アスリートにとってのセカンドキャリアとはということで、一般女性と女性アスリートのセカンドキャリアの現状を比較し、どのようなセカンドキャリアを構築すべきかロールモデルを挙げて考えてみたいと思います。
一般女性のセカンドキャリアの現状とは?
まず、女性アスリートのセカンドキャリアの問題点を理解するためにも、一般女性のセカンドキャリアの現状をみてみたいと思います。
そもそもセカンドキャリアとは、「第二の人生における職業」という意味です。
女性における人生の大きな区切りは、結婚・妊娠・出産・育児でしょう。
そのため、学校卒業(18~22歳)と共に就職し、結婚・妊娠・出産(~35歳)と共に休職(育児休暇)・退職をし、育児が落ち着く(~40代)と共に復職・転職をするというのが、一般女性の平均的なキャリア構築の流れとなっています。
また、最近は共働き世帯が増え、出産後すぐに復職する女性が多くなっているため、ファーストキャリアを長く続けるケースも増えています。
実際に内閣府が発表している「男女共同参画白書(概要版) 平成30年版」に記載されているデータをみると、
・共働き世帯数はそうでない世帯数の約2倍(平成29年)
・これまでは第1子出産前後に女性が就業を継続する割合が4割前後で推移していたのが、最新の調査(平成22~26年)では約5割へと上昇
・上の約7割が正規社員
であることが明らかになりました。
共働き世帯の急増によって、保育園の待機児童問題などの社会問題が起きているのが現状です。
今後もこの傾向が強まっていくことが考えられるため、さらに育児休暇や子育て支援などの整備が必要になっていくでしょう。
女性アスリートの引退後のセカンドキャリアの現状
では、本題の女性アスリートの引退後のセカンドキャリアの現状についてみていきましょう。
女性アスリートの引退理由について
女性アスリートが現役を退くきっかけとなるのは、体力・精神力の衰え、怪我、競技レベルの不足、バーンアウト、経済的負担、プライベートなどがあります。
引退理由について性差はあまりないように感じます。
ただし、妊娠・出産の適齢期があるため、それが引退理由になるケースは女性独特のものであるといえるでしょう。
昨今、女性アスリ―トの引退会見で「ご結婚は?」という質問によって、女性の幸せ=結婚という古い考え方は捨てるべきだという議論が起こりましたが、女性アスリートで子供のいる家庭を築きたいと考えるのであれば、その年齢で現役引退もしくは活動休止を考える必要があるでしょう。
女性アスリートのセカンドキャリア支援制度について
女性アスリートのセカンドキャリア支援については、企業の実業団所属のアスリートであれば男女共に現役引退と共にその会社の社員としてセカンドキャリアを始めることができますし、民間企業が行っているアスリートのセカンドキャリア支援サービスも男女共に利用することができます。
しかし、女性アスリートの場合、冒頭でも触れたようにアスリートのセカンドキャリアとしての課題と女性のセカンドキャリアとしての課題を同時に抱えるため、同じ支援内容では解決できないケースが多いでしょう。
そのため、あまりセカンドキャリア支援を利用せずに自らでキャリアを切り開くケースが多いようです。
女性アスリートの引退後の仕事について
女性アスリートの引退後の仕事については、テレビタレント・指導者・イベント出演(講演など)・経営者(フリーランス含む)・会社員・公務員・専業主婦などが挙げられます。
引退後に結婚した女性の多くは家事や育児を優先するため、時間に縛られない仕事を選ぶ傾向があります。
また、女性の場合は収入に関して、アスリート時代よりもセカンドキャリアの仕事の方が稼げるというケースが多いようです。
女性アスリートの引退後の生活について
女性アスリートの引退後の生活については、大学に進学をする人・社会に出て働く人・専業主婦として家庭に入る人・共働きをする人と分かれます。
トップアスリートの多くは、幼い頃からスポーツ一筋の生活を送ってきているので、教養を身に付けるために大学や大学院に入って「学び直す」という選択をする人は少なくありません。
それ以外の選択肢を選んだ場合は一般的な生活を営むことになります。
女性アスリートのセカンドキャリアが抱える問題点とは?
女性アスリートのセカンドキャリアが抱える特有の問題は、引退後に「アスリートとしてのセカンドキャリア」と「女性としてのセカンドキャリア」の課題を同時に抱えることです。
アスリートとしては引退後に初めて社会に出るという課題があり、女性としては妊娠・出産の適齢期という課題があります。
例えば、30歳で現役を引退し、働きたい・子供がほしいという人の場合、一般的な社会人と比べて10年間のハンデがあるだけでなく、5年間で妊娠出産を済ませる必要があるということです。
もし、仕事を優先すればあっという間に適齢期を過ぎてしまいますし、妊娠出産を優先すれば40代で社会経験がない状態に陥ってしまうのです。
このジレンマを解決することが、女性アスリートの更なる活躍と引退後の生活の充実につながるのです。
女子スポーツ選手が引退後の第二の人生を充実させるために…
では、どうすればこのような問題を解決することができるのか考えていきましょう。
女性アスリートは、特にデュアルキャリアの考え方(アスリートとしてのキャリアと人としてのキャリアを両立する)を取り入れることが重要だと思います。
現役選手のうちに自分のキャリア、もっと言えば人生についてきちんと展望を持っておくことで、女性特有の難しいセカンドキャリア問題を高い確率で解決することが可能です。
先に例に出したような引退後に仕事も子育てもしたいという考えを持っているならば、現役のアスリートであるうちに次の仕事についてある程度目途を立てたり、必要であれば資格取得をしたり、パートナーと妊娠・出産の時期について話し合ったりと準備をすることが重要です。
そうすることでセカンドキャリアについての漠然とした不安も解消され、アスリートとしてのキャリアも全うできるでしょう。
「アスリートとしてのセカンドキャリア」も「女性としてのセカンドキャリア」も時間制限のある課題だからこそ、きちんとした見通しと準備をしておくことが大切なのです。
女性アスリートの引退後のセカンドキャリアの成功例
では、デュアルキャリアの考え方を実行して、仕事・生活共に充実させている女性アスリートを実際にみていきましょう。
プロサッカー選手と会社経営者として活躍している永里優季さんを例に挙げたいと思います。(2019年現在、永里さんはシカゴで現役でプレーをしています。)
彼女は、日本代表のFWとしてこれまでに通算132試合出場58得点を挙げ、2011年ドイツワールドカップで優勝し一世を風靡した「なでしこジャパン」の中心メンバーです。
その後もドイツリーグで得点王になるなど、サッカー選手としてのキャリアを順調に積み重ねていきました。
そのなかでデュアルキャリアを意識して会社経営に取り組むようになったきっかけについて。インタビューで以下のように語っています。
いつだろう? 多分、結婚したことは大きかったと思います。それまでは私、自分のルーティンを崩したくなくて練習以外はほとんど家に籠っていましたから。人と会うのも嫌いでした(笑)。
(中略)
でも元夫は家にいろんな人を連れてくるタイプだったので、強制的に人と会う機会が増えて、自然とアンテナが立っていったという感じでした。
(中略)
私の分岐点は明確で、2013年なんです。2012年にロンドン五輪で銀メダル獲って、翌年にドイツで得点王になってワールドカップも優勝して、一通りの目標を達成してしまった。
20代半ばで、次に何を目指していいかわからなくなったんです。
そこからずっとモヤモヤしていて、2017年の6月にケガを抱えた状態でアメリカのリーグに移ったら、サッカーができる日常そのものに感謝を深く感じられて。
サッカーに限らず、日常に起きるすべてのことに心を込めようと思たら、心がスッキリと整って、他人の評価も気にならなくなったんです。
「やりたいことがあるなら挑戦したらいい」というアメリカの空気が私を変えた部分もあるかもしれませんね。
まとめると元旦那さんとの出会いによってサッカー以外の世界との接点が生まれ、そのなかで興味のあることを見つけ、実際に行動に移したことで、サッカー選手と会社経営者という2つのキャリアを持つようになったということです。
アスリートとしてのキャリアと人としてのキャリアを両立することで、現役のうちにアスリートとしてのセカンドキャリアの課題を克服しているのです。
もちろん、永里さんのように複業(パラレルキャリア)をすることがデュアルキャリアの全てではありません。
しかし、アスリートとしてのキャリアを全うしながらも、自分の人としてのキャリアにも意識を向けられている素晴らしい例だと思います。
永里さんのインタビュー記事がプロスポーツ選手も複業時代——女子サッカー・永里優季さんが会社をつくった理由に掲載されているので読んでみて下さい。
まとめ
今回は、女性アスリートのセカンドキャリアについてみてきました。
調べてみると、女性スポーツの歴史はまだまだ浅く、セカンドキャリアについてのロールモデルが不足している現状が浮き彫りになりました。
僕はこの状況は女性アスリートにとって「チャンス」だと思います。
なぜなら、「アスリートとしての人生を全うしながらも、ひとりの人として女性としての人生を両立していくことが当たり前」という新しい文化を作ることができるからです。
そうすることで未来の女性アスリートが更に活躍しやすい土壌になっていくでしょう。
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