スポーツ選手・アスリート引退後の収入事情!セカンドキャリアの平均年収は?

引退後に飲食店を開業するものの莫大な借金を背負って倒産。

引退後に就職先が見つからず派遣やアルバイト生活。

現役時代の貯金を狙われて不動産や株などの投資詐欺の被害にあい破産。

元アスリートの違法薬物の使用や暴行、強盗などの犯罪・不祥事。

これらはすべて現実に起きているセカンドキャリア問題です。

その大きなの原因の1つとして考えられるのは、スポーツ選手・アスリートの引退後のセカンドキャリアにおける収入の低下でしょう。

今回は、セカンドキャリアの収入について焦点を当て、現役・引退後の平均年収を比較して稼ぎについての現状を把握し、アスリートやスポーツ選手がセカンドキャリアでも経済的成功を収めるために必要なことを考えたいと思います。

現役のスポーツ選手・アスリートの平均年収とは?

アスリートと言えば所属チームやスポンサー企業から莫大な年棒・報酬を得ているイメージがあります。

しかし、それはプロ野球やJリーグなどプロスポーツとして市場が成り立っている競技のスター選手や個人スポーツで世界を舞台に活躍しているアスリートに限られた話です。

例えば、前者で言えば野球の菅野智之選手、柳田悠岐選手、メジャーリーガーの田中将大選手、ダルビッシュ有選手、後者で言えばテニスの錦織圭選手やゴルフの松山英樹選手、石川遼選手がその代表格でしょう。

新興プロリーグのbリーグやTリーグの選手の収入はその水準には及びませんし、会社の実業団に所属するアスリートであれば普通のサラリーマン水準の給与になります。

ちなみに下のランキングを見るとそれぞれのスポーツ別平均年収(目安)がわかるでしょう。

つまり、活躍しているアスリート・スポーツ選手全員が稼げているわけではないのです。

スポーツ競技別平均年収ランキング

1位 プロ野球選手(平均年収 3,826万円)
2位 プロサッカー選手(平均年収 3,500万円)
3位 大相撲力士(平均年収 2,350万円)
4位 プロゴルファー(平均年収 1,500万円)
4位 競艇選手(平均年収 1,500万円)
6位 競馬騎手(平均年収 1,300万円)
7位 競輪選手(平均年収 1,000万円)
7位 フィギュアスケーター(平均年収 1,000万円)
9位 プロバスケットボール選手(平均年収 700万円)
10位 実業団アスリート(陸上・バレーボールなど)(平均年収 400万円)
※このデータは筆者がインターネット・書籍を用いて調査したものです。

引退後のスポーツ選手・アスリートの平均年収とは?

では、引退したスポーツ選手・アスリートはどのくらい稼ぐことができているのでしょうか?

最近は、引退後に一般企業への就職を考えるアスリートが増え、その競技の指導者やスポーツに関連する仕事に就くことが当たり前だった一昔前とは変わってきているように感じます。

これは国(スポーツ庁)・各競技団体・民間企業がセカンドキャリア支援を積極的に行うようになったことが大きく影響しているでしょう。

つまり、現役を引退したら社会に出るという流れが出来つつあるのです。

そのように考えると引退後のセカンドキャリアの収入は一般的なサラリーマンの収入に近似していくと考えて良いでしょう。

例えば、競技を引退する平均年齢を30歳とするならば、引退直後の平均年収は403万円くらいだと推測できるでしょう。

もちろん、その後は定年退職を迎えるまで年齢やスキルを重ねて年収が緩やかに上がっていくと考えられます。

スポーツ選手の引退後の収入は本当に低いのか?

さて、ここまでスポーツ選手の現役・引退後の年収の現状をみてきました。

わかったことは現役と引退後で収入に格差はあるものの、引退後も生活するに困らないくらいのお金を稼ぐことは出来るということです。

特に最近はセカンドキャリア支援制度(職業斡旋など)が盛んになってきたため、多くのアスリートが一般企業に就職・転職できるようになりました。

もし、このようなセーフティーネットが整備されつつあるにもかかわらず問題が起こるとすれば、引退してからも現役時代の生活レベルを落とせないことが原因であるといえるでしょう。

1人の会社員が、現役アスリートと同じお金の使い方(住居のような固定費や友人との飲食費など)をしていたら、誰が考えても生活に困窮するのは当たり前でしょう。

つまり、引退後の問題は収入が低いことではなく、現役時代とのギャップを受け止められずに生活スタイルを変えられないことにあるのです。

アスリートがセカンドキャリアで稼ぐために必要なこと

では、引退後も生活レベルを落とさずに現役時代同様にお金を稼ぐためにはどうすればいいのでしょうか?

一般企業のサラリーマンでは到底届きませんし、いきなり起業して成功する保証はありません。むしろ、失敗例の方が多いでしょう。

この問いの答えは「なぜアスリートは高額の年棒を稼ぐことができるのか?」を考えることで明らかになるでしょう。

高い競技能力を持っているから。

宣伝・広告として高い機能を持っているから。

など様々な答えが思い浮かぶかもしれませんが、どれも答えの一部であり確信をついてはいません。

なぜアスリートの年棒は高いのか?

それは「その市場(環境)における希少度が高いから」です。

市場というのは需要と供給によって成り立っているため、その市場において希少なもの=なかなか手に入らない=高値で取引されるというロジックで動いています。

プロで通用するだけの競技能力を持っている人というのが非常に稀な存在であることは理解できるでしょう。

例えば、同級生でプロスポーツ選手として活躍している人はいても1人くらいではないでしょうか?

つまり、スポーツ選手・アスリートというだけでも全体の1%に満たない存在になれるわけです。

また、そのチームや競技において替えの効かない選手というのは、さらに希少な存在だといえるでしょう。

では、セカンドキャリアにおいても同じように「希少度」を上げるためにはどうすればいいのでしょうか?

それは競技から大きく離れた他と差別化できる仕事を選ぶことです。

そうすることで「元アスリート×〇〇」という組み合わせで希少度を上げることができるのです。

例えば、「元プロ野球選手の公認会計士」の奥村武博さん、「サッカー選手兼実業家」の本田圭佑さん、長友佑都さん、永里優季さんなどが希少度を上げることに成功している例として挙げられるでしょう。

公認会計士のような士業は資格取得までに、実業家は軌道に乗るまでに大きな時間と労力がかかるため、それさえを乗り越えれば他の人が真似できない唯一の存在になることができるでしょう。

ある意味誰も真似しないところを目指すということが最も希少度を上げるポイントなのです。

このように、セカンドキャリアにおいても現役時代のような希少度を実現することができれば、収入面だけでなく生きがいとなるような熱い仕事ができるでしょう。

まとめ

今回は、アスリート・スポーツ選手の引退後のセカンドキャリアにおける収入について考えました。

セカンドキャリア支援を積極的に行っている昨今では、引退後に生活するために必要なお金を稼ぐ仕事に就くこと自体は難しくないのが現状です。

しかし、それまでの生活水準を下げることが許容できず、失敗してしまう人が多くいます。

もし、生活を維持したいならば、セカンドキャリアでも経済的に成功すること必要です。

経済的に成功を収めるためには希少度を上げることが重要だということは理解できたでしょう。

ただし、なにも準備なしにいきなり引退後に希少度を上げることは出来ません。

だから、現役のうちからセカンドキャリアにおいても希少な存在でいられるような準備をしておく必要があります。

もしも引退が差し迫っているのならば、就職・転職などを経験して自分だけのセカンドキャリアを作り上げていくと良いでしょう。

その市場において希少な存在であれば、自ずと収入は上がっていきます。

これがアスリートにとっても、社会人にとっても共通の収入を決定するルールなのです。

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